2次元の世界に生きたい

少女マンガ、宝塚、アニメ、ゲーム、2.5次元舞台について語るブログ

【その他】大内美代子さん作「沖田総司」感想

新撰組ブームが到来しました!
謎の周期で色んなものがマイブームとして訪れるわたしですが、今は新撰組がマイブームです。

というのも、今後の観劇予定が…

2月「駆けはやぶさ ひと大和」(新撰組が主人公の舞台)
3月「誠の群像」(宝塚 雪組)
4月「刀剣乱舞ミュージカル 新作公演」(幕末の刀が主役)

なんですね!もともと刀剣乱舞にはまったきっかけが、アニメ「刀剣乱舞 花丸」の沖田組だったこともあり、これを期に新撰組について勉強せねば!と思い、小説を読み始め…みごとにはまりました(;_;)

最近読んだのが、大内美予子さん作「沖田総司」。
爽やかな沖田総司像を世に定着させたのがこの作品だと言われています。

この小説は、比較的戦いのシーンが少なく、内面描写に重きがおかれています。
剣のために生き、土方さんと近藤さんと京に登り、病に倒れ、最後は生をそして死を受け入れて死んでいった沖田総司の心の動きがとても繊細に丁寧に描かれていました。

彼には「大義」がありません。世の中が大きく変わる動乱の中、常に沖田くんが考えているは、彼のそばにいる人たちの心、それだけのような気がします。だから彼はぶれない。彼にとって大切なのは、彼にとっての「新撰組」は、近藤さんや土方さん、山南さん、藤堂くん…新撰組隊士一人一人の願いや想い。そんな風に思います。

彼と土方さんのやりとりは、何度もわたしの胸を、熱く、切なくさせました。
家族とか、友達とか、相棒とか、そんな簡単なありふれた言葉で現せない関係が、そこにありました。
「鬼の」土方さんにとって沖田くんは故郷を思い出させる泉のような存在。土方さんは沖田くんにとって、特に病に倒れ戦えなくなった沖田くんにとって、新撰組にいる理由。沖田くんしか理解してあげられない、「鬼の」心があったから、沖田くんは土方さんのそばにいなくちゃいけなかった。

病床の沖田くんに、土方さんが最期の別れを告げに来る場面は、涙無しには読めません。
声を荒げ溢れ出す自らの感情を抑えきれなくなった土方さんは、あとにも先にもこの場面だけ。
もし、沖田くんが病気にならずに最期まで近藤さんと、土方さんと共に戦えていたら、そこにはどんな歴史があったのかな…。
3人がちゃんと空の上で会えていることを祈ります。

なぜこんなに新撰組って切ないんでしょう。
終わりがあるから美しい。
散っていくものに儚さと美しさを感じる日本人の心をくすぐるのかなあ。

次は土方さんが主人公の小説をよみたいなあと思います。まだ新撰組ブームは続きそう~!